潰瘍(かいよう)とはいろいろな原因で胃や十二指腸の粘膜がけずられた状態の病気のことです。
胸やけや食欲不振、みぞおちの痛みなど、潰瘍の程度や場所によってさまざまな症状が出てきます。一般的に痛みの症状は胃潰瘍では食後に強く、十二指腸潰瘍では空腹時に強いと言われています。
胃カメラは、直接胃の中を映像で確認することができ、診断には欠かせません。胃がんが疑われる場合は検査時に組織を採取し、顕微鏡で観察(病理検査)して診断をします。ピロリ菌感染の検査は、胃カメラのときに採取した組織を使用して検査をおこない、感染の有無を確認します。
また、近年注目されているのが薬が原因となるものです。日常的に使用している薬のなかに、潰瘍を引き起こしやすいものがあり、こうした薬の成分には、胃の粘膜を荒らす作用をもつものが少なくありません。
潰瘍の治療は、精神的・肉体的ストレスが多いため生活面での治療や食事・生活習慣を改善・見直すことから始まります。治療は、患者自身が、治そうと努力をしなければ、再発を繰り返し完治しない病気です。昔は、消化性潰瘍の主な治療といえば外科的に手術が多かったですが近年では、H2ブロッカーやプロトンポンプ阻害薬などの優れた治療薬の開発で内科的な治療で治るようになりました。